MSDSでELVやらRoHSやらREACHやらに対応できるのか?
TR_wada
投稿数: 1193
オンライン
新年明けてしまいましたわー
カムバック連休(ぉ
さて、皆様各種様々な報告形態での依頼及び報告を行われていると思いますが、なじみ深いけど使い勝手の悪いMSDSについてちょっと考察してみようと思います
▼関連書き込みとしてはコレですが、古いしほんとにざっくりなので新規立て
http://houkoku.think-reed.jp/modules/d3forum/index.php?topic_id=13
現状の依頼/報告は
○REACH対応
○RoHS対応
○ELV対応
がメインだと思います
紛争鉱物はとりあえず捨てておきましょうか。
ELV/REACH対応となるとIMDS/JAMAシート
RoHS/REACH対応となるとJAMP AIS(材料はMSDS Plus)/IEC62474(旧JGPSSI)
で報告してもらえれば、運用ルール上はSVHCやSOCの報告はクリアできているハズですね。……IEC62474はREACH分の記述ってあったっけ……?
で、それぞれの形式で出てこない場合は『非含有証明』といった形でお茶を濁しているものと思われます。その際にミルシートやらMSDSを提出されるケースも多々あるかと思われます。
ミルシートの場合は金属類で公的規格が書いてあったりしますので、そこから規格値を追いかけて非含有判断としても良いと思います。問い合わせ先が鋼材メーカーの場合はちゃんとRoHS対応文書とか出してくれる場合あり。鉛とカドミウムしか見てない気もしますが、その他で記述要となって含有率が大きいものはニッケルと銅ぐらいじゃないでしょうか。規格とグレードがわかれば追いかけれますよね。
さて、MSDSは非含有証明とできるのか?
まずはMSDSの国内定義から行ってみましょうか。
▼SDSに改名したよ!ってあったけどMSDSって言ってみる
http://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/law/msds/msds.html
▼対象物質は
http://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/law/msds/2.html
第一種指定化学物質・第二種指定化学物質のリストを参照してください。
第一種指定化学物質のリストを見ると2008/12/4版だったりしますので、最新SVHCが入っているわけもなく。
ついでに下の方の画像を見てもらえると
『例外的にSDSを提供しなくても良い製品とは』
○対象化学物質の含有率が少ないもの
・対象化学物質が1%未満の製品
・特定第一種指定物質の場合は0.1%未満の製品
○固形物(粉状や粒状のものを除く)
・金属板や管等
○密封された状態で使用する製品
・乾電池等
○一般消費者用の製品
・家庭用洗剤、殺虫剤等
○再生資源
・金属くず、空き缶等
……なんでココだけ画像情報なんでしょうね?
とりあえずこの中でキモになるのがコレですね。
○対象化学物質の含有率が少ないもの
・対象化学物質が1%未満の製品
・特定第一種指定物質の場合は0.1%未満の製品
はい、ELV/RoHSで禁止とされている鉛・水銀・六価クロムの閾値は『0.1%』です。ギリギリ使えるかな……?と思いきや、カドミウムの閾値は『0.01%』なので漏れてる可能性がありますね。
この辺りは『特定第一種指定物質』にカテゴリされてますんで、一応閾値は『0.1%』なんですけど、規制上カドミウムはより厳しい管理体制となりますのでNGと判断されます。アウトー。
ちなみにRoHSの臭素系難燃剤PBB/PBDEはリスト上に無さそうです。
『臭』で検索しても、
第一種のリストでは『ブロモメタン(別名臭化メチル)』のみ
第二種のリストでは『3-ブロモ-1-プロペン(別名臭化アリル)』のみとなっています。
『ポリブロモ』の検索結果は無し。
PBB/PBDEはそれぞれ異性体があります(臭素数1から10らしい)が、それらしいものはリスト上で発見できず。
RoHS対応としては記載不要とされては非含有の証明にはできませんね。
また、実際に流通する時点でMSDSの情報から変質するモノについても扱いに困ったりします。
購入時点で接着剤の液でMSDSを収集しても、製品として出荷する時点で接着剤は硬化状態になっているのであれば同じ情報で賄えるのかは謎。二液混合型だったら反応して別の物質になるだろうし、揮発硬化するのであれば揮発成分は無くなるわけですし。
とりあえず軽く眺めてみた程度なんですが、MSDSとしては
・ELV対応→カドミウムの閾値的に×
・RoHS対応→カドミウムの閾値的に×・PBB/PBDEが記載不要なので×
・REACH対応→最新SVHCなんて記載要物質リストに入っていないので×
といった感じで、一般的に出回っているMSDSの大半はELV/RoHS/REACH対応といった意味では情報不足であると思われます。
作成している企業によっては0.1%未満でも記載しているかもしれませんし、『RoHS/REACH/ELV規制物質について』の記述がある場合もあるかもしれません。その場合には非含有証明としての使用は可能かと。
皆様のご意見いかがでしょうか?
カムバック連休(ぉ
さて、皆様各種様々な報告形態での依頼及び報告を行われていると思いますが、なじみ深いけど使い勝手の悪いMSDSについてちょっと考察してみようと思います
▼関連書き込みとしてはコレですが、古いしほんとにざっくりなので新規立て
http://houkoku.think-reed.jp/modules/d3forum/index.php?topic_id=13
現状の依頼/報告は
○REACH対応
○RoHS対応
○ELV対応
がメインだと思います
紛争鉱物はとりあえず捨てておきましょうか。
ELV/REACH対応となるとIMDS/JAMAシート
RoHS/REACH対応となるとJAMP AIS(材料はMSDS Plus)/IEC62474(旧JGPSSI)
で報告してもらえれば、運用ルール上はSVHCやSOCの報告はクリアできているハズですね。……IEC62474はREACH分の記述ってあったっけ……?
で、それぞれの形式で出てこない場合は『非含有証明』といった形でお茶を濁しているものと思われます。その際にミルシートやらMSDSを提出されるケースも多々あるかと思われます。
ミルシートの場合は金属類で公的規格が書いてあったりしますので、そこから規格値を追いかけて非含有判断としても良いと思います。問い合わせ先が鋼材メーカーの場合はちゃんとRoHS対応文書とか出してくれる場合あり。鉛とカドミウムしか見てない気もしますが、その他で記述要となって含有率が大きいものはニッケルと銅ぐらいじゃないでしょうか。規格とグレードがわかれば追いかけれますよね。
さて、MSDSは非含有証明とできるのか?
まずはMSDSの国内定義から行ってみましょうか。
▼SDSに改名したよ!ってあったけどMSDSって言ってみる
http://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/law/msds/msds.html
▼対象物質は
http://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/law/msds/2.html
第一種指定化学物質・第二種指定化学物質のリストを参照してください。
第一種指定化学物質のリストを見ると2008/12/4版だったりしますので、最新SVHCが入っているわけもなく。
ついでに下の方の画像を見てもらえると
『例外的にSDSを提供しなくても良い製品とは』
○対象化学物質の含有率が少ないもの
・対象化学物質が1%未満の製品
・特定第一種指定物質の場合は0.1%未満の製品
○固形物(粉状や粒状のものを除く)
・金属板や管等
○密封された状態で使用する製品
・乾電池等
○一般消費者用の製品
・家庭用洗剤、殺虫剤等
○再生資源
・金属くず、空き缶等
……なんでココだけ画像情報なんでしょうね?
とりあえずこの中でキモになるのがコレですね。
○対象化学物質の含有率が少ないもの
・対象化学物質が1%未満の製品
・特定第一種指定物質の場合は0.1%未満の製品
はい、ELV/RoHSで禁止とされている鉛・水銀・六価クロムの閾値は『0.1%』です。ギリギリ使えるかな……?と思いきや、カドミウムの閾値は『0.01%』なので漏れてる可能性がありますね。
この辺りは『特定第一種指定物質』にカテゴリされてますんで、一応閾値は『0.1%』なんですけど、規制上カドミウムはより厳しい管理体制となりますのでNGと判断されます。アウトー。
ちなみにRoHSの臭素系難燃剤PBB/PBDEはリスト上に無さそうです。
『臭』で検索しても、
第一種のリストでは『ブロモメタン(別名臭化メチル)』のみ
第二種のリストでは『3-ブロモ-1-プロペン(別名臭化アリル)』のみとなっています。
『ポリブロモ』の検索結果は無し。
PBB/PBDEはそれぞれ異性体があります(臭素数1から10らしい)が、それらしいものはリスト上で発見できず。
RoHS対応としては記載不要とされては非含有の証明にはできませんね。
また、実際に流通する時点でMSDSの情報から変質するモノについても扱いに困ったりします。
購入時点で接着剤の液でMSDSを収集しても、製品として出荷する時点で接着剤は硬化状態になっているのであれば同じ情報で賄えるのかは謎。二液混合型だったら反応して別の物質になるだろうし、揮発硬化するのであれば揮発成分は無くなるわけですし。
とりあえず軽く眺めてみた程度なんですが、MSDSとしては
・ELV対応→カドミウムの閾値的に×
・RoHS対応→カドミウムの閾値的に×・PBB/PBDEが記載不要なので×
・REACH対応→最新SVHCなんて記載要物質リストに入っていないので×
といった感じで、一般的に出回っているMSDSの大半はELV/RoHS/REACH対応といった意味では情報不足であると思われます。
作成している企業によっては0.1%未満でも記載しているかもしれませんし、『RoHS/REACH/ELV規制物質について』の記述がある場合もあるかもしれません。その場合には非含有証明としての使用は可能かと。
皆様のご意見いかがでしょうか?
投票数:5
平均点:4.00
返信する
この投稿に返信する
投稿ツリー
-
MSDSでELVやらRoHSやらREACHやらに対応できるのか?
(TR_wada, 2014-1-6 10:21)
- Re: MSDSでELVやらRoHSやらREACHやらに対応できるのか? (マルチャン, 2014-1-6 13:29)
- Re: MSDSでELVやらRoHSやらREACHやらに対応できるのか? (TR_wada, 2014-1-6 14:16)
- Re: MSDSでELVやらRoHSやらREACHやらに対応できるのか? (ゲスト, 2014-1-7 16:46)
- Re: MSDSでELVやらRoHSやらREACHやらに対応できるのか? (TR_wada, 2014-1-7 17:05)
- Re: MSDSでELVやらRoHSやらREACHやらに対応できるのか? (TR_wada, 2014-1-10 14:50)
- Re: MSDSでELVやらRoHSやらREACHやらに対応できるのか? (TR_wada, 2014-1-10 15:39)
- Re: MSDSでELVやらRoHSやらREACHやらに対応できるのか? (totto, 2014-1-10 16:30)
- Re: MSDSでELVやらRoHSやらREACHやらに対応できるのか? (TR_wada, 2014-1-10 19:41)
- Re: MSDSでELVやらRoHSやらREACHやらに対応できるのか? (TR_wada, 2014-1-15 9:45)