ペンタクロロフェノールについて

いつもお世話になっております
それなりに長い期間拙い知識で主に家電関連で環境関連の業務を担当しており
大手家電メーカからのグリーン調達にも対応してきたのですが

先日、普段取引のないメーカより
ペンタクロロフェノールの含有について問い合わせを受けました
あまり聞き覚えのない物質だな、と思いググったところ

REACH_ANNEX17にて
「物質及び含有率が0.01wt%を超える混合物またはその他の物質の構成要素として上市及び使用してはならない」
との事

そこで疑問に思ったのですが
ANNEX17にリストアップ、適用範囲も家電でも該当する内容なのに
なぜ、chem SHERPAのIEC62474や
ダイ〇ン、パナソ〇ック、〇菱、日〇をはじめとする家電メーカのグリーン調達に
このペンタクロロフェノールはリストアップされていないのでしょうか？

単にたまたまだったのか
家電では適用とならないのか
調べるまでもなく使用されていないから記載されていないのか
もしくは、なにか他の調査物質群に内包されるため、単独で記載されていないのか
何か理由、推測があれば教えていただけないでようか？

ちらっと見た範囲では、

パナソニック→管理物質扱い
三菱電機→化審法第一種特定化学物質扱い
日立→管理物質扱い

で一応リストには入ってる感じですね。


こんな記事を発見しました。ペンタクロロフェノール(PCP)の主な使用先は皮革製品な感じなのかな？
https://www.satra.com/spotlight/article.php?id=422

だとするとGADSLは対象になっていて、IEC62474は対象外となっているのもなんとなく理解できるよーな気が……ヘッドフォンの耳当ての部分が革とか無いのかな？マッサージチェアで本革張とか無いかしら？

なるほど、管理物質の扱いですか・・・
禁止物質ばかり見ていて管理物質は要求されないから見てなかった・・・

トリクロロベンゼン
ジフェニルメタンジイソシアネート（MDI）
リン酸トリス(2,3-ジブロモプロピル)

辺りも聞かれていますが、どうも同様の模様です

リン酸トリス(2,3-ジブロモプロピル)
は、JGPの非特定の臭素系難燃剤でフォローするとして
（臭素系難燃剤が含有している場合は、具体的に調査する必要があるが）

客先は、調査要求物質に対し実際の用途まで深く考えず
リストに記載されている物質を丸投げしてる
って感じなのかな・・・

最近、客先から短納期回答要求が増えているのですが
そもそも不必要な調査物質を減らしてサプライヤの負荷を減らすべきだと
思うのですよ

基本的に大手さんの管理物質リストって、用途をあまり絞らずに制定されている場合が多いですね
車とかになると、それこそ木製部品から皮革部品、電子、電気、鉄、アルミ、マグネシウムにカーボンと多岐にわたりすぎて、サプライヤ毎に使い分けるとか無理なので

んで、ソレを受けた会社がローカライズせずにそのまま投げてくる、と
下手するとその物質がなんの法規の対象なのかとか、規制対象が『物質・混合物のみでの流動』とかって知らないケースもあったりすると思いますよ

固形製品にフロンガスが入ってると思っておるのかね？って感じ

なんか『脳みそを使わないでウチは工数を増やさない』って考えで、依頼先の苦労は知らねーってトコは多い気がしますね

自社家電製品は事前にRoHS、SVHCなら調査済み
メーカのグリーン調達を観ると謎の物質一覧が書いてあるだけ
物質を一つ一つチェックしたらRoHSとSVHCと聞いたことない物質数点
謎物質の素性を調べてみたら適用範囲は衣類の物質
衣類だから対象外として調査不要にしてくれたら即答できるけど？と投げ返すも

法規は関係ない弊社のルールだ良いから調べろ、納期は即答
たった数物質なんだから直ぐに回答できるだろ？
ってケース多いんですよね

調査物質が1つでも100種類でも、未知の物質をサプライヤチェーンを
遡って調査する手間にさほど差はないのよね・・・

不要な情報調べるために有用な情報の伝達が遅れるの本末転倒で
お互い不幸になるだけだと思うの


chem SHERPAが公布される前の説明会で
「ゆくゆくはIEC62474以外の法規も取り込みたい」
って話をされたので
「無駄な遵法情報増やすと川下は適当に全部要求するからやめて」
って意見を言ったら

「無駄な情報を要求すればするほど回答は遅くなるから、メーカもそんな
　不利益になる要求はしないと思う」
って答えられたんですが

おい、現状をだな・・・ってドン引きした思い出があります

運営サイドはぶっちゃけ『仕組み作りました！』で仕事完了してますからね。
仕組みの維持、改正はするけど現場の苦労とか見ませんし見えませんですよ。

一応調査対象になる物質は何某かの法規対象になる物質なので、その法規がわかれば対応もしやすいんですけどね。
物質だけ書かれてわかるかっつーの。
下手するとCAS No.書いてこないから物質特定しにくいとかありますからね。タヒねってなる。せめてCAS No.書かないなら法規書けや。って言っても実際には法規にも基本的に物質リストって無かったりしますからね(特にCAS No.は書いてないケース大杉)


今度機会があったら『川下の独自規制物質リストを何社分ほどご存じで？』って聞いてみてはいかがでしょうか。
パナン二ックとかはまだいいんですよね。『管理物質はJIGから禁止物質抜いたヤツ』って書いてたりするので。

調査対象になる根拠は法規にあるとしても
「うちの報告対象物質だから答えてね。用途？そんなものは考えてないよ。だって法規で”使用禁止”て決まってるんだから何はともあれ”禁止”でしょ。」
という感じかなぁとよく感じる。
”製品環境管理委員会”とか大層な部署名を名乗ってるくせに何にも考えてねぇだろ！とか依頼文書の出どころを見ながらよく思う。

あとは調達関係の部署がやってて「調査依頼をばらまいて回収」が仕事だと思ってるから、調査内容について問い合わせてもさっぱりとかもよくある。
（依頼文書に物質名称しか書いてなくて、CAS番号も調査対象がどの品番を指してるのかも書いてなくて”で、結局何を調べたいの？”となることはもよくあって問い合わせるんだけど要領を得ない…）

おまけにその調達先からどんな部品が入ってくるのかもわかってないから、ペンタクロロフェノール(PCP)みたいな皮革製品が対象かな？と思うような物質でもありとあらゆるサプライヤーに調査依頼ばらまいて「さぁ答えろ」ですしね。
最川下企業が皮革を使ったユニットを調達しているサプライヤーへ絞って調査依頼をかけたとしても、受けた側のサプライヤーがそういう調査意図を感じられずに次のサプライヤーへは無差別依頼をかけてそう。

自分のところで極力調査依頼を出すサプライヤーは選別してからとは思ってるけど、法規をどこまで解釈できているかいまいち自信がないのは自分がよくわかってるだけに、無差別依頼もわからんでもないんですが。。。

…と午前中に投稿したら、午後になって「毒劇物法が改正されて対象物質が追加されたから、含有調査よろ」が届いてゲンナリ。

ウチは成形品しか納めてないです。。。。。

スレ主です
うちも毒劇法食らってます

過去に4-ノニル含有を報告したら
メーカ：SVHC該当してるじゃん、代替えしろ
成形屋：SVHCなら問題なくね？

ANNEX14追加
メーカ：4-ノニル追加されたじゃん、代替えしろ
成形屋：閾値以下だから問題なくね

毒劇法改正
成形屋：調剤の管理大変になるから代替させて
メーカ：え？めんどい

って言う地獄のやり取りで板挟みになってます